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Microscope

スタッフ

研究主宰者紹介

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飯島 崇利(いいじま たかとし)

医学部医学科基礎医学系 准教授(医学博士)

​​略歴

1998年 東邦大学理学部生物学科卒業

(卒業研究先:千葉県がんセンター生化学研究部, 指導教官 中河原章)

 2000年 大阪大学大学院医学研究科修士課程医科学専攻修了

(研究先:バイオメディカル研究センター神経機能解剖学研究部, 指導教官 岡野栄之)

2004年 大阪大学大学院医学研究科博士課程機能形態医学専攻単位取得退学(同修了)

(研究先:バイオメディカル研究センター神経機能解剖学研究部(2001年より慶應義塾大学医学部生理学教室), 指導教官 岡野栄之)

 2004年4月 - 2009年5月 慶應義塾大学医学部生理学教室(柚崎通介研究室)助教 

(研究内容:成熟脳においてシナプス形成を制御する分泌タンパク質C1qファミリー分子群の解析)

2009年6月 - 2013年11月   バーゼル大学バイオセンター神経生物学部門 Peter Scheiffele lab 博士研究員

(研究内容:神経系における選択的スプライシング機構の解析)

 2014年1月-2018年3月  東海大学創造科学技術研究機構医学部門 特任准教授(テニュアトラック)

 2019年4月-2025年3月  東海大学医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域 准教授

2025年-現在 現職

受賞歴

  • 2013年 日本神経化学会奨励賞

  • 2014年 日本神経科学学会奨励賞

  • 2020年 東海大学医学部優秀ユニット賞(to 飯島グループ)

  • 2023年 東海大学医学部優秀ユニット賞(to 飯島グループ)

その他の活動歴

  • 関西学生陸上競技対校選手権1500m優勝、5000m二位

  • 日本学生陸上選手権1500m四位

チームに関する詳細は、お気軽にお問い合わせください。

ご挨拶

最近10年の歩み

私は10年前に、約4年半にわたる海外での研究活動を経て現所属に着任し、独立ポジションで研究を続けさせていただいております。着任以前は、神経科学分野における選択的スプライシングなど、RNA情報発現機構の研究を主軸として、国内外で研究を展開してまいりました。これらの研究成果を通じ、同分野において一定の存在感を維持してきたと自負しております。

 

本学着任当時、研究遂行自体には若さゆえの自信がありました。しかし現実はそう甘くなく、着任してしばらくの後、研究費の獲得に苦戦し、高IFジャーナルへの採択が目前だった論文に必要なリバイス実験すら、予算不足のために十分に行えず、機会を失った苦しい経験もしました。資金の枯渇は、単に実験ができなくなるというだけにとどまらず、以降のプロジェクト継続やチームの維持に直結します。当時は運もラボメンバーも離れ、無力さと孤独を感じるばかりでした。

 

そうした中でも、本学教職員の皆様、共同研究者の先生方、過去の指導教官の先生からのご支援のおかげで、挫折の中から徐々に体制を立て直すことができ、今まで来られました。今後も引き続き研究代表者(PI)として、国際的に評価されるトップジャーナルへの成果発信を目指すとともに、これまでに培ってきた基礎研究の知見を、医療を中心とした社会に還元することが、次なる使命であると考えております。

医学部の研究教育活動に対する姿勢、使命

教育活動について、医学科低学年時の基礎科目を担当しております。医学部に合格することは決して簡単ではありませんが、医師になることは、学力や肩書き以上に、「使命感」や「人間性」が問われる職業であり、 “エリート性”とはまた異なる資質が問われます。本学では、さまざまなバックグラウンドを持った人たちが、それぞれの思いを持って医学部に進学してこられます。飯島は、学生たちが充実した学生生活を送りながら、ひとまずは医師国家試験合格というステップを超えること、その先にはそれぞれが描く「理想の医師」に近づけるよう、長い目で可能な限りの支援をしていきたいと考えています。

 

医学部の使命は医師の養成にとどまりません。「将来の医学」を切り拓く研究活動は、極めて重要な役割を担っています。私たち「基礎系教員の存在意義」はまさにそこにあり、大学という自由な探究の場に身を置けることへの感謝と意義を日々強く感じています。

 

公的研究費は、研究者にとって極めて貴重な資源です。有効に活用し、その成果を社会に還元する責任を常に意識しながら、日々研究に取り組んでおります。予算の獲得は重要ですが、予算の取れ高が研究の価値や研究者の評価そのものであるかのような風潮には違和感を覚えます。研究費は使えば無くなります。しかし、得られた成果や知見は時を経ても学術には残り続け、次の世代の礎となります。

 

病態研究への展開とこれからの挑戦

医学の進歩は目覚ましいものがありますが、生命科学全体から見れば、そこに得られた発見は、ほんの一部にすぎません。脳の病気を理解するためには、病態だけでなく、人間の「心」や「行動」の基盤となる脳の基本的な仕組みに迫ることが、同時に必要だと感じています。

 

例えば、私が学生だった頃には、「再生医学」という分野はまだ存在していませんでした。しかし現在では、発生生物学の長い歴史の中で蓄積されてきた知見が、病気の理解や治療法の開発に応用され、再生医学は生命科学の新たなフロンティアとして大きく発展しました。

 

こうした流れを背景に、私はこれまでの基礎生物学の研究を土台として、病態科学の分野へと研究の幅を広げています。とくに関心を寄せてきたのは、「心」や「性格」の形成に関わる発達メカニズムです。本学に着任後、自閉スペクトラム症(ASD)や精神疾患に焦点を当てた研究を立ち上げ、分子から細胞、そして行動レベルに至るまで、病態の全体像を明らかにすることを目指しています。

​2025年6月

(過去の記載はアーカイブに移してあります。)

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©2021 by 東海大学医学部基礎医学系分子生命科学領域。Wix.com で作成されました。

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